2024/05/27

第44回日本静脈学会総会 ランチョンセミナー

オフィシャルサイト
開催日時
2024年06月14日(金) - 06月14日(金) 12:30~13:30
会場
軽井沢プリンスホテル
タイトル

Cutting-edge EVLA

詳細

熊本血管外科クリニック 宇藤 純一 先生
血管内焼灼術のupdate:根治性と整容性の二兎を追う

抄録
大伏在静脈(GSV)弁不全による下肢静脈瘤の治療は、①不全GSVの処理と、②静脈瘤の処理の二つの要素から成り立っている。本セミナーでは「血管内焼灼術のupdate」と題して、最近試みている2つの治療手技を紹介したい。
膝下GSVを焼灼すると術後神経障害のリスクがあると一般にいわれている。焼灼条件を低エネルギーに設定することで、神経障害をおこすことなく安全に膝下GSVを焼灼できるのではと考えた。現在、Radial 2ring slim fiberを用いて5W (LEED 20-25 J/cm)で膝下GSVを焼灼している (Phlebology 2023; 38: 484-485)。その成績を供覧する。
静脈瘤の処理に関しては、stab avulsion法による瘤切除が広く普及している。簡便な方法ではあるが、抗凝固療法中や重症皮膚病変を有する患者では適応に制限があり、また時に出血や神経障害、瘢痕、色素沈着などの有害事象にも遭遇する。これらの問題を解決すべく、最近では16G針とRadial 2ring slim fiberを用いて瘤の穿刺焼灼を行っている (Phlebology 2023; 38: 404-409)。その手技について供覧する。

広島はくしま病院 杉山 悟 先生
血管内焼灼術のupdate:症例ごとに最良の術式を考える

抄録
レーザー焼灼術が保険で認可されて13年、細径ファイバーであるRadial 2ring slim fiberが登場して5年経過した。「下肢静脈瘤のプロフェッショナルとは、いろいろな術式の中から、その時代、その症例に最良の術式を提案して治療を提供することだ」と信じて、治療に当たってきた。
レーザー焼灼術が出始めのころは、ストリッピングと焼灼術でも選択の余地があった。レーザー焼灼術の術後疼痛が強かった時代である。1470nm Radial 2ring fiberの登場で、ストリッピングよりも焼灼術の方が術後の痛みは少なくなったが、浅いGSVでは術後の硬結や疼痛、色素沈着などの懸念から、術式の選択に苦慮してきた。Radial 2ring slim fiberの登場で、瘤の焼灼が技術的に可能となってからは、さらに根治度と整容性を症例ごとに考えて、1例1例術式を迷いながら治療してきた。 
 宇藤先生の論文を教科書にして、それに少しアレンジを加え、自分なりに完成度に近づけてきた結果、瘤切除の割合は、2020年度の37%から徐々に減り、ついに数%以下に辿り着いた。その術式やその間考えたことを供覧する。

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